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緩和ケアに触れる・その2

前回の活動から一週間後、患者様のところに再来棟してまいりました。

以前の状態があまり思わしくなったので心配していったのですが、お部屋に入った瞬間患者さまの笑顔が飛び込んできました。薬剤コントロールがうまく行きとても明るい表情を見せてくださったのです。隣で奥様と娘さんが前回のように笑顔で出迎えてくださいました。

緩和治療ってすごい!これぞ緩和ケア!と思いました。

酸素マスクはされていましたがお話はできますので、気分よくお話をされている姿にご家族も喜んでいるのが手に取るようにわかりました。私のやる気も充電できました。

さっそく、トリートメントの準備です。
下肢の浮腫みのある方は圧迫目的の圧の強い靴下を装着します。圧が強いので装着にはとても力とコツが必要です。まず力のない状態の方には無理でご家族や看護者がしなければなりません。その靴下を脱がすのに、苦労していると患者さんは笑って頑張れコールです。痛みや苦しみのコントロールがうまく行くと、その人らしさを感じることができます。「娘3人だよ」とお話しされる時は優しいお父さんの顔になっています。自分らしく生きたいのはすべての人の願いだと思います。緩和ケアの意義はそこにも存在するのです。

奥様がベッドサイドに近寄っていらっしゃいました。私はすぐに「一緒にしてみませんか?難しくなんかないんですよ」とオイルをお渡ししてみました。手にオイルを滴下し奥様がトリートメントを始めてくださいました。私はすぐに患者さまのお顔をみました。とても満足げに奥様の手元を見つめていらっしゃいました。そのお二人の間には誰も近づくことのできない崇高な雰囲気がありました。大げさな言い方ではないのです。
言葉ではうまく表現できませんが、とても意味のある行為がそこに存在することは確かなことなのです。

奥様は一生懸命心をこめてトリートメントをしてくださいました。言葉は要りません。ご主人へのいろいろな思いのうち一つでもタッチングというケアでそっと伝えることができたのではないでしょうか?

「来週、また来ますね」とそっと手をとり握手・・・必ずお会いしましょうと心の中でつぶやきました。

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アロマケアの神髄

こんにちは。
こちらの2記事、静かな感動で心が震えました。
私のブログでシェアさせていただきたいのですが、
よろしいでしょうか?
FC2ブログもフェイスブック連動になっていると
いいのに…と思います。
緩和ケアでのアロマセラピー。益々これがポピュラーに
なって行くことを強く切望します。

kasumiさんの記事を読んでいて、
義母とのことを想いだしました。

ルリ子さんへ

凄く重いテーマかもしれませんが、私たちにはとても身近なこととして受け入れられますよね。
ルリ子さんは理解してくださると思っていました。ブログのシェアどうぞかまいませんよ。

今、癌で亡くなる方は2.5人に一人の割合です。私の身近でも起こり得ることです。
もしかしたら、私自身かも・・・。私はすぐに緩和ケアを希望することでしょう。
その時にアロマセラピストが傍にいてくれたなら・・・それが私の願いです。

義母さまのこと、また思い出させてしまってごめんね。

プロフィール

renett

Author:renett
・リ・ネットブログへようこそ!
アロマセラピストナースの大山朋子です。

・Re・nett(リネット)はホリスティックアロマテラピーのサロンです。医療経験のあるアロマセラピストナースが辛い体調やお悩みのご相談をうけながらアロマオイルマッサージをご提供させていただきます。病気療養中の方々も安心してご相談ください。リラックスして免疫力・自然治癒力を高めるお手伝いをさせてください。

笑顔と感謝を忘れないで、ゆっくり頑張っています。

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