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緩和ケアに触れる

先日の緩和ケア研究会後に、一人の患者さまへのトリートメントのご依頼の連絡が主治医からありました。食道癌が脊椎に転移して下半身全体のむくみと倦怠感の強い患者さまです。

主治医が私のことを紹介してくださいましたが、全身の倦怠感や苦痛を除く目的で薬を使用して意識をコントロールしている状態なのですが、ベットサイドに立つと患者様はゆっくり目をあけて私をみてくださいました。とても不安げで悲しい表情のように感じられました。挨拶を済ませてさっそくトリートメントの準備をしました。下肢は両側とも強度のむくみで血行も低下しているので皮膚の色は白っぽく本来の色やつやは見られません。

「リトセア」「ブラックスプルース」「ティトゥリー」・・・のブレンディングで病室にはさわやかな香りが広がることを考えました。オイル塗布をした瞬間それまで目を閉じていらした患者さんでしたが香りを感じられると同時に目をパット開けました。「香り感じますか?いかがでしょう」の問いに静かにうなずかれて安心したようにまた目を閉じられました。下半身はむくみと体力低下で自分で足を動かすことができなくなっています。身体の下になった面は浮腫みがひどくなりタオルやシーツのしわが痛々しく残っています。

初めてのアロマケアなので、負担の無いように神経を集中してゆっくり優しく、そして時には何も考えないで手が無意識に動く感覚を感じながら、両方の下肢トリートメントは終了しました。
ご挨拶をして身の回りを整えさせていただき、「また来週きますね」と伝えました。小さくうなずかれた表情は心なしか穏やかさを感じることできました。しかし、いつも私は本当に心地良さを感じていただけたのかと不安になります。

翌日、そんな私の不安を払拭するような主治医からのメールが届きました。

患者さんに来週はどうすると聞いたところ,「絶対にまた来てもらいたい」とのことでした.

本当に気持ちが良かったと,少し表情を緩めながら話していたのが印象的でした。

と綴られていました。

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アロマセラピストナースの大山朋子です。

・Re・nett(リネット)はホリスティックアロマテラピーのサロンです。医療経験のあるアロマセラピストナースが辛い体調やお悩みのご相談をうけながらアロマオイルマッサージをご提供させていただきます。病気療養中の方々も安心してご相談ください。リラックスして免疫力・自然治癒力を高めるお手伝いをさせてください。

笑顔と感謝を忘れないで、ゆっくり頑張っています。

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