「いのち」をめぐる連続講演会
- 2012-07-17(00:04) /
- 緩和ケア
医療者の燃え尽き~その原因・治癒・予防をテーマとして京都大学のカール・ベッカー氏の講演会がありました。
私は初めて話を聴かせていただきましたが風貌からは想像できないくらい日本語が上手で(関西弁)驚きました。日本で教授になられていらっしゃるのだから当たり前ですかね。
バーンアウトしないためのキーワードは「目的意識」「やりがい感」「帰属意識」
バーンアウトの大きな原因にストレスがあげられます。ストレスの対処方法も・・・。
身体的対処、社会的対処、精神的対処と自分でできることや、周りに求める対処方法、そしてこの世を超えた考え方といろいろな角度から考え方を聴かせていただきました。
緩和ケアに関わっている従事者や看護職の方が抱えるストレスはとても深い問題にかかわっていることが多く、人の死について考えさせられることが多いのが事実です。生きることの意味、自分の無力感、存在価値などなど、まじめに物事をとらえる教育をされているので(性格的なこともありますが)燃え尽きてしまう人が少なくありません。ここでもストレスケアがとても大切なキーワードになります。
今日の講演は私に求められるテーマの一つを再認識し新たな意欲に燃えました。
私は燃え尽きません!(笑)
私は初めて話を聴かせていただきましたが風貌からは想像できないくらい日本語が上手で(関西弁)驚きました。日本で教授になられていらっしゃるのだから当たり前ですかね。
バーンアウトしないためのキーワードは「目的意識」「やりがい感」「帰属意識」
バーンアウトの大きな原因にストレスがあげられます。ストレスの対処方法も・・・。
身体的対処、社会的対処、精神的対処と自分でできることや、周りに求める対処方法、そしてこの世を超えた考え方といろいろな角度から考え方を聴かせていただきました。
緩和ケアに関わっている従事者や看護職の方が抱えるストレスはとても深い問題にかかわっていることが多く、人の死について考えさせられることが多いのが事実です。生きることの意味、自分の無力感、存在価値などなど、まじめに物事をとらえる教育をされているので(性格的なこともありますが)燃え尽きてしまう人が少なくありません。ここでもストレスケアがとても大切なキーワードになります。
今日の講演は私に求められるテーマの一つを再認識し新たな意欲に燃えました。
私は燃え尽きません!(笑)
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緩和ケアに触れる・その2
- 2012-02-24(10:43) /
- 緩和ケア
前回の活動から一週間後、患者様のところに再来棟してまいりました。
以前の状態があまり思わしくなったので心配していったのですが、お部屋に入った瞬間患者さまの笑顔が飛び込んできました。薬剤コントロールがうまく行きとても明るい表情を見せてくださったのです。隣で奥様と娘さんが前回のように笑顔で出迎えてくださいました。
緩和治療ってすごい!これぞ緩和ケア!と思いました。
酸素マスクはされていましたがお話はできますので、気分よくお話をされている姿にご家族も喜んでいるのが手に取るようにわかりました。私のやる気も充電できました。
さっそく、トリートメントの準備です。
下肢の浮腫みのある方は圧迫目的の圧の強い靴下を装着します。圧が強いので装着にはとても力とコツが必要です。まず力のない状態の方には無理でご家族や看護者がしなければなりません。その靴下を脱がすのに、苦労していると患者さんは笑って頑張れコールです。痛みや苦しみのコントロールがうまく行くと、その人らしさを感じることができます。「娘3人だよ」とお話しされる時は優しいお父さんの顔になっています。自分らしく生きたいのはすべての人の願いだと思います。緩和ケアの意義はそこにも存在するのです。
奥様がベッドサイドに近寄っていらっしゃいました。私はすぐに「一緒にしてみませんか?難しくなんかないんですよ」とオイルをお渡ししてみました。手にオイルを滴下し奥様がトリートメントを始めてくださいました。私はすぐに患者さまのお顔をみました。とても満足げに奥様の手元を見つめていらっしゃいました。そのお二人の間には誰も近づくことのできない崇高な雰囲気がありました。大げさな言い方ではないのです。
言葉ではうまく表現できませんが、とても意味のある行為がそこに存在することは確かなことなのです。
奥様は一生懸命心をこめてトリートメントをしてくださいました。言葉は要りません。ご主人へのいろいろな思いのうち一つでもタッチングというケアでそっと伝えることができたのではないでしょうか?
「来週、また来ますね」とそっと手をとり握手・・・必ずお会いしましょうと心の中でつぶやきました。
以前の状態があまり思わしくなったので心配していったのですが、お部屋に入った瞬間患者さまの笑顔が飛び込んできました。薬剤コントロールがうまく行きとても明るい表情を見せてくださったのです。隣で奥様と娘さんが前回のように笑顔で出迎えてくださいました。
緩和治療ってすごい!これぞ緩和ケア!と思いました。
酸素マスクはされていましたがお話はできますので、気分よくお話をされている姿にご家族も喜んでいるのが手に取るようにわかりました。私のやる気も充電できました。
さっそく、トリートメントの準備です。
下肢の浮腫みのある方は圧迫目的の圧の強い靴下を装着します。圧が強いので装着にはとても力とコツが必要です。まず力のない状態の方には無理でご家族や看護者がしなければなりません。その靴下を脱がすのに、苦労していると患者さんは笑って頑張れコールです。痛みや苦しみのコントロールがうまく行くと、その人らしさを感じることができます。「娘3人だよ」とお話しされる時は優しいお父さんの顔になっています。自分らしく生きたいのはすべての人の願いだと思います。緩和ケアの意義はそこにも存在するのです。
奥様がベッドサイドに近寄っていらっしゃいました。私はすぐに「一緒にしてみませんか?難しくなんかないんですよ」とオイルをお渡ししてみました。手にオイルを滴下し奥様がトリートメントを始めてくださいました。私はすぐに患者さまのお顔をみました。とても満足げに奥様の手元を見つめていらっしゃいました。そのお二人の間には誰も近づくことのできない崇高な雰囲気がありました。大げさな言い方ではないのです。
言葉ではうまく表現できませんが、とても意味のある行為がそこに存在することは確かなことなのです。
奥様は一生懸命心をこめてトリートメントをしてくださいました。言葉は要りません。ご主人へのいろいろな思いのうち一つでもタッチングというケアでそっと伝えることができたのではないでしょうか?
「来週、また来ますね」とそっと手をとり握手・・・必ずお会いしましょうと心の中でつぶやきました。
緩和ケアに触れる
- 2012-02-20(23:40) /
- 緩和ケア
先日の緩和ケア研究会後に、一人の患者さまへのトリートメントのご依頼の連絡が主治医からありました。食道癌が脊椎に転移して下半身全体のむくみと倦怠感の強い患者さまです。
主治医が私のことを紹介してくださいましたが、全身の倦怠感や苦痛を除く目的で薬を使用して意識をコントロールしている状態なのですが、ベットサイドに立つと患者様はゆっくり目をあけて私をみてくださいました。とても不安げで悲しい表情のように感じられました。挨拶を済ませてさっそくトリートメントの準備をしました。下肢は両側とも強度のむくみで血行も低下しているので皮膚の色は白っぽく本来の色やつやは見られません。
「リトセア」「ブラックスプルース」「ティトゥリー」・・・のブレンディングで病室にはさわやかな香りが広がることを考えました。オイル塗布をした瞬間それまで目を閉じていらした患者さんでしたが香りを感じられると同時に目をパット開けました。「香り感じますか?いかがでしょう」の問いに静かにうなずかれて安心したようにまた目を閉じられました。下半身はむくみと体力低下で自分で足を動かすことができなくなっています。身体の下になった面は浮腫みがひどくなりタオルやシーツのしわが痛々しく残っています。
初めてのアロマケアなので、負担の無いように神経を集中してゆっくり優しく、そして時には何も考えないで手が無意識に動く感覚を感じながら、両方の下肢トリートメントは終了しました。
ご挨拶をして身の回りを整えさせていただき、「また来週きますね」と伝えました。小さくうなずかれた表情は心なしか穏やかさを感じることできました。しかし、いつも私は本当に心地良さを感じていただけたのかと不安になります。
翌日、そんな私の不安を払拭するような主治医からのメールが届きました。
主治医が私のことを紹介してくださいましたが、全身の倦怠感や苦痛を除く目的で薬を使用して意識をコントロールしている状態なのですが、ベットサイドに立つと患者様はゆっくり目をあけて私をみてくださいました。とても不安げで悲しい表情のように感じられました。挨拶を済ませてさっそくトリートメントの準備をしました。下肢は両側とも強度のむくみで血行も低下しているので皮膚の色は白っぽく本来の色やつやは見られません。
「リトセア」「ブラックスプルース」「ティトゥリー」・・・のブレンディングで病室にはさわやかな香りが広がることを考えました。オイル塗布をした瞬間それまで目を閉じていらした患者さんでしたが香りを感じられると同時に目をパット開けました。「香り感じますか?いかがでしょう」の問いに静かにうなずかれて安心したようにまた目を閉じられました。下半身はむくみと体力低下で自分で足を動かすことができなくなっています。身体の下になった面は浮腫みがひどくなりタオルやシーツのしわが痛々しく残っています。
初めてのアロマケアなので、負担の無いように神経を集中してゆっくり優しく、そして時には何も考えないで手が無意識に動く感覚を感じながら、両方の下肢トリートメントは終了しました。
ご挨拶をして身の回りを整えさせていただき、「また来週きますね」と伝えました。小さくうなずかれた表情は心なしか穏やかさを感じることできました。しかし、いつも私は本当に心地良さを感じていただけたのかと不安になります。
翌日、そんな私の不安を払拭するような主治医からのメールが届きました。
と綴られていました。患者さんに来週はどうすると聞いたところ,「絶対にまた来てもらいたい」とのことでした.
本当に気持ちが良かったと,少し表情を緩めながら話していたのが印象的でした。